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イベント情報の詳細

イベント名 第3回 物理学教室談話会
四元数を用いたランダムウォーク生成法と結び目高分子およびトポロジカル高分子の研究
イベント種類 セミナー
対象 教職員向け 大学院生向け
イベント概要 講演者:出口 哲生教授(お茶の水女子大学)

四元数は19世紀中頃にハミルトンによって導入された非可換数である。複素数の4次元への拡張が
動機だったらしい。高分子とは全く関係がないように思えるが、実は、
最近合成された複雑な構造の高分子の研究に、四元数が非常に役立つことが分かった[1,2]。

天然には環状DNAなど、環状の高分子が存在する。しかし、合成高分子としては、線形鎖やこれを結合した星形鎖やブラシ鎖などが主な研究対象であった。そもそも環状高分子の合成は困難であった。実際、3次元のランダムウォークが出発点に戻る確率は、頂点数が大きい場合、非常に小さい。しかし化学の発展のおかげで、重合度が大きいが分散が小さく精度も高い環状鎖が合成可能となった。お玉杓子型鎖、二重環状鎖そして2部完全グラフ型鎖など、トポロジカル高分子とよばれるグラフ形状の高分子鎖が合成された[3]。

本講演では、四元数の高分子統計物理学への応用を紹介する[2,4]。最初に、
20世紀はじめにドイツの数学者Hopf
により導入された四元数から3次元空間への写像を応用して、
与えられた二点間をつなぐランダムウォークを線形時間で生成する高速アルゴリズムを紹介する。
これを用いて、トポロジカル高分子の慣性半径や流体力学的半径を求め、両者の比を求め、
その繰り込み群的普遍性を議論する[4]。計算結果は実験の知見と整合的である[2]。
最近、環状鎖のメルトは線形鎖のメルトと動的振る舞いが異なることが知られており、
グラフ高分子のダイナミクスも今後興味深いテーマであることが予想される。
余裕があれば、結び目高分子におけるトポロジー効果なども紹介する[4]。
開催期間 2017年7月27日 16:00〜17:30
会場 物理会議室(W1-A-711)
定員 なし
参加費 無料
申込み方法 事前申込み不要
お問い合わせ先
担当
野村 清英(物理学部門・統計物理学)
TEL
4068
E-Mail
knomura◎stat.phys.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの◎を@に変更してください