本専攻は、地球と太陽系の起源・進化過程、現在の姿、将来像および太陽・惑星・地球システムの複雑な相互関係を理解することをめざしています。そのために、太陽・惑星、惑星間空間、宙空、大気、海洋、地球表層、地球内部を対象として、幅広い視野に立った教育を行っています。きわめて複雑なシステムである地球惑星の起源・進化から、現状・未来にわたる広い時間スケールの現象から問題点を抽出する能力を育成します。その解決に向けた研究の立案・計画、調査・観測・実験・理論・解析にまたがる多彩な手法を学習します。これを通じて、学術的素養とともに多角的・学際的視野の育成を図ります。
上記の教育理念に基づいて次のような教育を行なっています。地球惑星科学の専門的な研究の推進に不可欠な基盤的能力の確立を目的とした分野横断型の演習を行います。各指導教員の指導のもとに、セミナーを行い、各自の研究テーマに関する文献調査・購読を進め、問題点の把握や自己の研究の相対化を行うとともに、発表・討論能力の向上をめざします。社会のニーズや当該分野における研究の進展に対応した内容を随時取り入れた、地球惑星科学の幅広い領域の講義を開講し、広範な視野と専門的知識の獲得を図ります。修士論文研究では、課題を自ら探求・発見し、多方面からアプローチして自主的・自立的に研究をすすめる過程を通して、先端的研究分野および社会全般の中で生じるさまざまな問題解決を図る能力をもった研究者、教育者および高度専門職業人の育成をします。そのための理学府共通プログラムとして、博士後期課程に進学を予定し先端研究者を目指す学生向けには、高い学際性、優れた研究マネジメント能力、高度な情報発信能力を持った科学者を育成する"フロントリサーチャー育成プログラム"が、また、就職を予定し社会の中での理学専門家を目指す学生向けには、国際化や科学技術の進展による急激な社会変化に柔軟に対処できる、より社会の要請に密着した高度専門家を育成する"アドバンストサイエンティスト育成プログラム"がそれぞれ用意されています。修士課程1年後期の時点から、個々の特性に応じてこれら二つの育成プログラムのいずれかに所属し、きめ細かな指導を受けることができます。
上記の教育理念に立脚した上で、専門分野の最先端の課題について自立的に学び、新しい問題を発見し、それを解決していくことのできる能力を身に付けることを目標として、研究室の特色や学生の自主性を生かした個別の教育を行います。学生は主に所属研究分野の教員の指導により博士論文作成に向けた研究を進めますが、他分野や他大学などとの共同研究を通じての指導が行われることもしばしばあります。博士後期課程においては博士論文作成に向けた研究指導を主に行うため、科目履修は義務付けていません。
本専攻では、上記の教育理念・目的に沿って、次のような入学者を求めます。
それぞれの専門分野で幅広く深い学識を持ち、研究能力またはこれに加えて高度な専門的職業を担うための卓抜した能力を持った人材、科学技術社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の育成を目指し、その目的に適合する学生の選抜を行います。選抜は、修士論文発表およびその内容と関連事項についての質疑応答について総合的に評価します。
その他受験生が主体的に進路選択をする上で必要な情報を地球惑星科学教室ホームページ
http://www.geo.kyushu-u.ac.jp
で広く紹介していますので、受験生は進路選択に役立ててください。