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九大理学部ニュース(分野別:地球惑星科学)

地惑「地球外アミノ酸」リストに8種が加わる

古賀 俊貴

Abstract cc3dd96d

地球上の全生命に共通する原材料のアミノ酸は、地球に落下した隕石からも検出されます。この地球外アミノ酸は隕石母天体上で非生物的に、具体的にはストレッカー反応などで合成されたと考えられてきました。有機宇宙地球化学研究分野の古賀さんと奈良岡教授は、隕石母天体の環境を再現したアンプル内で加熱処理のみによって非生物的アミノ酸合成が進むことを確認しましたが、このときストレッカー反応ではつくられない種類のアミノ酸もできており、アンモニアを伴うホルモース型反応が起きたことがわかりました。続いて、これらのアミノ酸が実際の隕石に含まれているどうかを確認するためマーチソン隕石試料を分析し、新たに7種類のヒドロキシアミノ酸と1種類のβアミノジカルボン酸が地球外でも合成されることを確認しました。

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地惑結晶の形に残された冷却の痕跡

佐野 恭平

Abstract d17db767

マグマが冷えて固まり火山岩になるまでに何が起こったかは、火山岩に含まれる結晶の大きさや数、形態によって推測することができます。黒曜石を生み出す溶岩噴火については、これまで火山岩のどこを見ればそのような過去の出来事がわかるのか調べられてきませんでした。地球惑星科学専攻の佐野さんと寅丸教授は、北海道遠軽町白滝地域の十勝石沢溶岩を解析し、火山岩に含まれる微小な斜長石結晶の表面に発達する突起状の組織(プロジェクション)の長さや幅が、溶岩の内側と外側の冷却過程の違いを反映していることを明らかにしました。

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地惑大質量星からのアウトフローの観測

松下 祐子

Abstract d42c6a02

宇宙を知るためには、様々な星の誕生のメカニズムを解明することが重要です。しかし太陽の10倍程度以上の質量をもつ大質量星の誕生については、不明な点が多く残っていました。惑星系形成進化学研究分野の松下さんらの共同研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて“オリオンKL電波源Iアイ”を観測し、大質量原始星から噴き出しているアウトフロー(ガスの流れ)の回転をとらえ、それが周辺に存在する円盤の回転と一致することを確認しました。このことは、円盤の遠心力と磁場の力によって、アウトフローが物質を宇宙空間に噴き出しているという理論予想を支持する観測結果であり、大質量星の形成メカニズムを解明する上で重要な成果です。

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地惑新鉱物・阿武石の発見

延寿 里美

Abstract 6217624d

山口県阿武町日の丸奈古鉱山では、世界的にも珍しい、リンを成分に含む様々な鉱物がみられます。その中に長らく正体がはっきりせず「ガトウンバ石様鉱物」と呼ばれていたものがありました。地球惑星物質科学分野所属の延寿さんと上原助教は、この石がフッ素を含む新種のアルミニウムリン酸塩鉱物であることを突きとめ、これを「阿武石」と命名しました。

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地惑火星の気象をシミュレーション

中島 健介

地球以外の惑星にも大気が存在し、様々な気象現象が起きていますが、直接の観測が難しいため詳細は未解明です。スーパーコンピューター「京」を使ったシミュレーションで、火星に生じる竜巻の性質を調べています。

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地惑謎のオーロラに理論と観測で迫る

渡辺 正和

まれに、上空から観測するとシータ(Θ)の形に見えるオーロラが発生します。惑星間空間磁場が急激に反転するときにできるタイプのシータオーロラを貫く磁力線にはある決まったパターンで電流が流れているはずだという理論予測のもと過去のシータオーロラ発生時の観測データを解析し、シミュレーション通りの電流の存在を確認しました。

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地惑火山噴火で生じる雷

相澤 広記

鹿児島県の桜島火山で発生する雷(火山雷)を高速度ビデオカメラと高速度電磁場観測装置を用いて0.00002秒ごとに観測し、火山雷は通常の雷のミニチュアとして理解できること、火山噴煙中の電荷は雷雲中の電荷に比べてはるかに高密度で複雑に分布していることなどを明らかにしました。

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地惑5万年を旅した隕石

岡﨑 隆司, 武智 弘之

カリフォルニアに落下したSutter's Mill隕石を分析しました。高性能希ガス質量分析装置を用いて希ガス同位体分析を行い、この隕石がプレソーラー粒子を含む始原的な物質であること、隕石母天体表面で太陽風の照射を受けたこと、母天体脱出後約5万年の間宇宙空間を漂った後地球に落下してきたことなどを明らかにしました。

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地惑プランクトンが語る海流変化

池上 隆仁

太平洋の最北部における、過去15年間の動物プランクトンの変動を調査しました。その結果、特定の動物プランクトンの個体数の変動が、海流や渦といった海洋の流れの変化に対応していることが明らかになりました。

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地惑イトカワの寿命は10億年以下

岡﨑 隆司

東大の長尾教授や九大の岡崎助教を中心とした研究チームは、はやぶさがイトカワから持ち帰った粒子を分析し、これらの粒子は確かにイトカワ表面から採取されたものであり、イトカワの寿命は10億年以下と太陽系の年齢(46億年)に比べるとはるかに短いことを示しました。

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地惑プランクトンで知る海の環境

池上 隆仁

北西太平洋の深層において、沈降動物プランクトン「レディオラリア」を採集しその生産量に与える影響を調べた結果、調査海域の海洋環境は西のオホーツク海の水塊や千島列島などの沿岸水の影響を強く受け、中層では季節によって環境が変動することが分かった。

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地惑磁力線渋滞による電位差飽和

深沢 圭一郎

宇宙天気の指標である極域の電位差が飽和する現象が知られていたが、その原因は電離圏中の伝導率にあると言われてきた。今回地球磁気圏の数値シミュレーションにより、電位差の飽和現象が、太陽風に伴う磁場と結合した地球の磁力線の輸送が滞ることで起きることを示した。

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地惑オーロラ電場 地上観測に成功

池田 昭大

宙空環境研究センターの池田研究員らは、オーロラ嵐に伴って発生する電磁波を電離圏で捉えることに成功し、その特性を解明した。新たに構築したFM-CWレーダーによる電離圏電場観測システムを利用したもので、電磁波動現象を電離圏で捉えるのは世界初という。

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