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九大理学部ニュース

2017年5月12日

生物炎症を防ぐ酵素タンパク質のしくみ

Abstract

免疫の過剰な応答は、アレルギーや炎症反応を引き起こします。私たちの体には免疫応答を厳密に制御する機構が備わっています。生体高分子学研究室の槇光輝さんらの研究グループは、ショウジョウバエをモデル生物として、架橋酵素であるトランスグルタミナーゼ(TG)が免疫応答に重要なNF-κB(転写因子)であるレリッシュを架橋し、過剰な免疫応答を抑制する分子機構を明らかにしました。昆虫と哺乳類のNF-κB経路はよく似ているため、今回のショウジョウバエでの発見がヒトの炎症疾患の原因解明や治療につながることが期待されます。

槇 光輝

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2017年4月19日

生物遺伝子に刻まれた自然史

Abstract

将来の環境変化によって生物に何が起こるかを予測するには、過去の環境変動時に何が起こったかを知ることが重要です。進化遺伝学研究室の池崎由佳さんらの国際研究グループは北米大陸に生息するヌマスギの核DNA翻訳領域の遺伝情報を読み取り、氷河期を包括する長い期間でのヌマスギ分布域の変遷を明らかにし、さらに環境変動後の局所適応にかかわった遺伝子の候補を特定しました。

池崎 由佳

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2017年1月19日

化学金属錯体でエネルギー問題解決に挑戦

Abstract

人工光合成、中でも水の完全分解を実現するためには、高性能な酸素発生触媒と水素発生触媒を開発する必要があります。「高い酸素発生触媒能を有する直鎖状ルテニウム三核錯体」及び「水素発生に必要な電子を複数貯蔵可能な白金錯体」の開発に成功しました。

坪ノ内 優太, 林 樹

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2016年12月9日

化学アザインドール5員環の不斉水素化に成功

Abstract

鏡像異性体の片側を選択的につくる不斉合成反応には鏡像異性体を識別できる特別な触媒が必要です。インドール類の不斉水素化のために開発したPhTRAP-ルテニウム触媒がアザインドール類の還元反応にも利用できることを発見しました。発見した反応を応用することで、効率的な医薬品の合成が可能になると期待されます。

槇田 祐輔

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2016年10月20日

数学世界初!60次元の格子暗号を解読

Abstract

格子暗号は次世代国際標準暗号の有力候補です。その安全性評価のため2016年6月にスタートした暗号解読コンテストで、世界で初めて60次元の格子暗号問題を解読しました。総当たり方式ならば解読までに一万年以上かかる問題を、効率的な手法により約16日で解くことに成功しました。

高木 剛

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2016年9月20日

地惑火星の気象をシミュレーション

Abstract

地球以外の惑星にも大気が存在し、様々な気象現象が起きていますが、直接の観測が難しいため詳細は未解明です。スーパーコンピューター「京」を使ったシミュレーションで、火星に生じる竜巻の性質を調べています。

中島 健介

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2016年8月29日

物理小さな磁石の大きな可能性

Abstract

磁石に特定の周波数のマイクロ波をあてると、電子スピンの動力学的運動が継続的に誘起されて磁石の内部エネルギーが増大する、強磁性共鳴と呼ばれる現象が起こります。強磁性共鳴時の微小磁石の温度変化を測定する技術を開発し、強磁性共鳴によって増大した内部エネルギーが最終的に磁石自身の発熱を引き起こすことを明らかにしました。

山野井 一人, 横谷 有紀

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2016年6月27日

地惑謎のオーロラに理論と観測で迫る

Abstract

まれに、上空から観測するとシータ(Θ)の形に見えるオーロラが発生します。惑星間空間磁場が急激に反転するときにできるタイプのシータオーロラを貫く磁力線にはある決まったパターンで電流が流れているはずだという理論予測のもと過去のシータオーロラ発生時の観測データを解析し、シミュレーション通りの電流の存在を確認しました。

渡辺 正和

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2016年6月13日

地惑火山噴火で生じる雷

Abstract

鹿児島県の桜島火山で発生する雷(火山雷)を高速度ビデオカメラと高速度電磁場観測装置を用いて0.00002秒ごとに観測し、火山雷は通常の雷のミニチュアとして理解できること、火山噴煙中の電荷は雷雲中の電荷に比べてはるかに高密度で複雑に分布していることなどを明らかにしました。

相澤 広記

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2015年3月25日

生物線虫で100円がん検査

Abstract

フェムト秒光パルスを反強磁性体という特殊な磁石に当てることによって光の任意の偏光状態を磁石に写し込み、情報記録媒体として書き込む事に成功しました。また別の光パルスを磁石に当てることによってその情報を読み取ることにも成功しました。

広津 崇亮

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2014年12月8日

物理新時代の3次元光メモリー

Abstract

フェムト秒光パルスを反強磁性体という特殊な磁石に当てることによって光の任意の偏光状態を磁石に写し込み、情報記録媒体として書き込む事に成功しました。また別の光パルスを磁石に当てることによってその情報を読み取ることにも成功しました。

佐藤 琢哉

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2014年8月27日

生物受精卵の分裂開始スイッチ

Abstract

脊椎動物の未受精卵は受精を待つために第二減数分裂中期で分裂を一時停止し、受精によって細胞分裂を再開します。脊椎動物受精卵の細胞分裂開始の仕組みを分子レベルで初めて解明しました。不妊の新しい診断や治療法の開発につながるものと期待されます。

迫 洸佑

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2014年7月29日

数学ビッグデータ処理で世界1位

Abstract

大規模なグラフを処理するソフトウェアを独自に開発し、「京」コンピュータやTSUBAME2.5などの様々なスーパーコンピュータ上でビッグデータ処理性能を計測するGraph500及びGreen Graph500ベンチマークテストを実施した結果、両者において世界1位となりました。

藤澤 克樹

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2014年7月17日

生物おならと花を間違えない理由

Abstract

人間はどのようにして1万種もの匂いを識別しているのでしょうか?それを知るためには、匂いとそれを受け取る受容体の対応関係を明らかにする必要があります。生体内における匂いと受容体の対応関係を網羅的に解析し、同じ匂いでも濃度によって異なる受容体が働いていることを突きとめました。

広津 崇亮

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2013年12月13日

生物植物を大きく育てる遺伝子発見

Abstract

CO2濃度が低くても気孔を開けないシロイヌナズナの変異体(patrol1変異体)を特定しました。この原因遺伝子は気孔開口に重要である事を突き止めました。PATROL1遺伝子の過剰発現体は野生株よりも大きく気孔を開くことができるため、光合成活性が上昇し、大きく成長します。

橋本(杉本) 美海

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2013年3月22日

化学分子レベルで観るイオンと水

Abstract

気相中に生成した溶媒和金属イオンのクラスターを解析すれば、金属イオン周辺の分子について分子レベルの情報が得られます。赤外分光法により気相中における水和Co+イオンの配位・溶媒和構造を研究し、水和初期過程においてCo+イオンが配位不飽和な構造をとることが明らかになりました。

古川 一輝

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2012年12月28日

地惑5万年を旅した隕石

Abstract

カリフォルニアに落下したSutter's Mill隕石を分析しました。高性能希ガス質量分析装置を用いて希ガス同位体分析を行い、この隕石がプレソーラー粒子を含む始原的な物質であること、隕石母天体表面で太陽風の照射を受けたこと、母天体脱出後約5万年の間宇宙空間を漂った後地球に落下してきたことなどを明らかにしました。

岡﨑 隆司, 武智 弘之

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2012年9月11日

物理中性子ビーム加速の新技術

Abstract

これまで制御が難しかった中性子ビームの加速減速を自在にコントロールし、空間的・時間的に集束させることに成功しました。空間的に高密度に局在した中性子は、様々な素粒子物理実験への利用が期待されています。

吉岡 瑞樹

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2012年7月25日

化学常識外れの触媒が地球を救う?

Abstract

人工光合成を達成するためには安定で活性の高い酸素発生触媒の開発が壁となっていました。酸素発生には金属イオンを2つ以上含む触媒が必要というこれまでの常識をくつがえし、ルテニウムイオン1つしか金属イオンを持たない錯体が非常によい酸素発生触媒として働くことを発見しました。

吉田 将己, 木本 彩乃

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2012年7月18日

生物坪井研究員がJPR論文賞を受賞

Abstract

理学研究院生物科学部門の坪井研究員らによる論文の「2012年度JPR論文賞 Best Paper Award」受賞が決定しました。論文では、光環境変化に迅速に対応するため、葉緑体は細胞膜上ならどちらの方向にも移動できる事を明らかにしています。

坪井 秀憲

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2012年6月30日

生物植物を診察する高性能カメラ

Abstract

植物の葉の色は、光や温度環境、ストレスなど、様々な要因に応じて変化するため、植物の健康状態や環境応答性を反映する指標になります。視認が困難な微小な葉色変化や葉に含まれる植物色素の量や組成を、画像から定量的に解析する技術を開発しました。

松田 修

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2012年6月20日

生物和田特任教授が植物学会賞受賞

Abstract

理学研究院生物科学部門の和田正三特任教授の「日本植物学会賞(大賞)」受賞が決定しました。この賞は植物科学分野において国際的に高く評価された研究を行った者に授与されるもので、和田特任教授による「葉緑体運動の分子機構」の解明と植物学会への貢献が高く評価されました。

和田 正三

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2012年6月11日

地惑プランクトンが語る海流変化

Abstract

太平洋の最北部における、過去15年間の動物プランクトンの変動を調査しました。その結果、特定の動物プランクトンの個体数の変動が、海流や渦といった海洋の流れの変化に対応していることが明らかになりました。

池上 隆仁

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2011年11月18日

生物新しいOrange遺伝子の可能性

Abstract

サーカディアンリズムを制御する遺伝子としては、cwo遺伝子が非常に重要であることがすでに分かっています。cwo遺伝子と同じ遺伝子ファミリー“bHLH-ORANGE”に所属する3つの遺伝子が、新たにサーカディアンリズムの制御に関わっている可能性があることを明らかにしました。

伊藤 太一

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2011年10月25日

化学レアメタル不要 鉄が酸化触媒

Abstract

小熊 卓也, 國栖 隆

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2011年10月2日

生物未受精卵 分裂停止機構を解明

Abstract

磯田 道孝

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2011年9月14日

生物Pex1pとPex6p ATPで輸送制御

Abstract

細胞内小器官のペルオキシソームは、ベータ酸化や胆汁酸の生合成など生命活動に重要な役割を担っていますが、その形成の制御機構はいまだによく分かっていません。ペルオキシソームの形成因子であるPex1pとPex6pが、ATPと反応することによってその立体構造が変化し、ペルオキシソームへの正常な輸送が制御されていることを明らかにしました。

名城 千香

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2011年9月9日

生物気孔閉じぬエコタイプを発見

Abstract

約700系統あるシロイヌナズナのエコタイプの中から、二酸化炭素濃度や湿度を変化させても気孔が閉じない系統を発見しました。気孔開閉のメカニズムを知る手がかりとして注目されます。

門田 慧奈

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2011年9月1日

地惑イトカワの寿命は10億年以下

Abstract

東大の長尾教授や九大の岡崎助教を中心とした研究チームは、はやぶさがイトカワから持ち帰った粒子を分析し、これらの粒子は確かにイトカワ表面から採取されたものであり、イトカワの寿命は10億年以下と太陽系の年齢(46億年)に比べるとはるかに短いことを示しました。

岡﨑 隆司

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2011年7月19日

化学若手科学者賞の受賞に寄せて

Abstract

このたび、大学院理学研究院化学部門の松島綾美助教が「平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞されました。そこで松島助教に、受賞につながった研究「ビスフェノールとその受容体の構造活性相関の研究」について説明していただきました。

松島 綾美

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2011年7月4日

生物オスがメスの進化を邪魔する

Abstract

オスだけが角や大顎を持つ動物では、角が大きくなるなどのオスの形質の進化は、メスの適応進化には影響しない—この考え方は正しいのでしょうか?実験によって、オスの大顎が大きくなるように進化するとメスの産卵数が減少することを明らかにしました。生物の進化を考える上での、オスとメスの進化的な対立の重要性を示す実例として注目されます。

原野 智広

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2011年6月17日

生物免疫反応に重要なMt膜電位

Abstract

ミトコンドリアが関与する細胞内抗ウイルス免疫ではミトコンドリアの重要な生理機能である内膜電位が重要な働きをしていることを発見し、このこととミトコンドリアの融合とが密接に関係していることを明らかにしました。この発見は、細胞内でのミトコンドリア動態が免疫反応と関わっている可能性を明らかにし、その成果は Science Signalingの表紙 を飾りました。

小柴 琢己

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2011年5月17日

生物島崎教授が植物学会賞を受賞

Abstract

このたび、理学研究院生物科学部門の島崎研一郎教授が「日本植物学会賞(学術賞)」を受賞しました。この賞は植物科学の分野において国際的に高く評価された研究を行った者に授与されるもので、島崎教授は「青色光による気孔開口の分子機構」を解明したことにより本賞を受賞しました。

島崎 研一郎

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2011年4月15日

化学シクロプロペンの新合成法

Abstract

光学活性なシクロプロペンは、反応性が高く、キラルビルディングブロックとして有用な化合物である。以前に開発されたイリジウムサレン錯体を用いる高選択的なシクロプロパンの合成を応用し、不斉四級炭素を含む光学活性なシクロプロペンの新たな合成法の開発に成功した。

安富 陽一

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2011年1月28日

生物世界中の葉の強さを比べる

Abstract

世界90カ所から2819種のデータを収集し、植物の葉の強度を地球規模で解析したところ、種による強度の違いが500倍以上もあり、その傾向は「熱帯ほど葉が丈夫である」という従来の仮説とは異なることを明らかにした。葉の丈夫さの多様性パターンを地球規模で解明した研究は世界初という。

小野田 雄介

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2011年1月21日

化学イオン液体界面のイオン分布

Abstract

燃料電池などで使われる「イオン液体」を水に溶かし「界面活性剤」として使った場合、従来の界面活性剤とは違いはなんだろうか。代表的なイオン液体の1つであるイミダゾリウム型イオン液体の界面では、界面活性剤と結合しているはずの臭化物イオンがBF4イオンに押し出されて分離していることを明らかにした。

松原 弘樹

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2010年12月24日

数学計算機との上手なつきあい方

Abstract

海外で利用が進む計算代数システムMagmaの日本での普及に向け、Magmaに関する研究集会が10月に九州大学伊都キャンパスで行われた。そこで、主催者の一人である数理学府の横山さんにMagmaが数学の研究でどのように使われ、どのように役立つのかを、フェルマーの最終定理の証明を題材に説明してもらった。

横山 俊一

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2010年12月7日

化学膜固定の酵素量 測定に成功

Abstract

膜の表面に酵素を固定して特定の分子を分離する人工膜において、これまで困難とされてきた膜の表面の正確な酵素量の測定に成功し、酵素量の違いによって酵素反応生成物の膜透過速度が変化することが分かった。

武田 日出夫

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2010年11月12日

生物海藻 生活環が2種類ある理由

Abstract

系統の離れた海藻の3グループそれぞれで2種類の生活環が進化したのは、環境によって最適な生活環が異なることが原因である可能性が理論的に示された。季節変動の大きさや死亡率が、環境によって変化するためと考えられる。

別所 和博

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2010年11月5日

生物実生バンク 豊凶の進化を促進

Abstract

ブナなどの樹木が数年に一度、一斉に種子生産を行う豊凶と呼ばれる繁殖様式の進化には、種子が発芽してすぐの実生が林床で長く生存することが重要であることを明らかにした。

立木 佑弥

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2010年11月2日

化学薄膜 単分子での固体化に成功

Abstract

アルカンとイオン性界面活性剤を用いて作られる薄膜の固体化はこれまで困難とされてきたが、炭素鎖の長さが同じテトラデカンとTTABの混合溶液を減温処理することで、単分子の固体薄膜を作成することに成功した。塗装などの工業過程やナノテクノロジーなどに応用される膜形成のメカニズムの解明につながると期待される。

大冨 英輔

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2010年9月21日

地惑プランクトンで知る海の環境

Abstract

北西太平洋の深層において、沈降動物プランクトン「レディオラリア」を採集しその生産量に与える影響を調べた結果、調査海域の海洋環境は西のオホーツク海の水塊や千島列島などの沿岸水の影響を強く受け、中層では季節によって環境が変動することが分かった。

池上 隆仁

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2010年8月24日

生物葉緑体は若いときから大忙し

Abstract

光合成能が低く未成熟な状態ととらえられてきた発生初期の葉の葉緑体において他組織から供給される栄養分の代謝機能がすでに発達していることが示された。葉緑体分化が損なわれた突然変異株と正常株の間で、葉の炭素・窒素含量が変わらないことから明らかになった。

楠見 健介

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2010年8月19日

化学簡易で無害なホウ素の定量法

Abstract

海水中に飲料水の基準値を超えて含まれるホウ素が、膜を使って淡水化する際にどの程度漏れ出したかを分析する簡易で無害な手法が開発された。装置が高価であったり有害な水銀電極が必要であるというこれまでの分析法の問題を解決した。

藤森 崇夫

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2010年8月16日

物理DNA 小さな穴のくぐり方

Abstract

やわらかいひもやロープのはしを引っぱると、手前の部分だけがまず動き、その影響が後ろの部分に伝達していく。物理学部門の坂上助教は、DNA分子を含む生体高分子が膜にあいた微小な穴を通過するときも同様に、穴に引き込まれる力が徐々に伝わって、分子の空間構造が次々と変化しながら通過することを初めて理論的に示した。

坂上 貴洋

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2010年8月6日

生物DNAの損傷を伝える仲介役

Abstract

DNAの損傷を探知し修復するためには、損傷を探知するタンパク質をリン酸化し、その情報を細胞へ伝える別のタンパク質と結合しなければならない。このリン酸化と結合を仲介する酵素がカゼインキナーゼ2であることを明らかにし、DNA損傷情報の伝達の仕組みを再現することに成功した。

武石 幸容

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2010年7月26日

生物ハコネナラタマバチの正体

Abstract

これまでカリリティス属に分類されてきた虫こぶ形成昆虫のハコネナラタマバチが、実はアンドリクス属であることが分かった。ハコネナラタマバチの形態と虫こぶの特徴を再調査した結果、明らかとなった。

和智 仲是

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2010年7月22日

生物海風が樹木の形を変える

Abstract

海–陸という極端に異なる二つの環境が交わる場所に位置する海浜林は、海風をはじめとする海洋環境の影響を直接受ける。海浜林の林縁からの距離に応じて樹木の形態が変化することを確認した。

横尾 誠

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2010年7月20日

地惑磁力線渋滞による電位差飽和

Abstract

宇宙天気の指標である極域の電位差が飽和する現象が知られていたが、その原因は電離圏中の伝導率にあると言われてきた。今回地球磁気圏の数値シミュレーションにより、電位差の飽和現象が、太陽風に伴う磁場と結合した地球の磁力線の輸送が滞ることで起きることを示した。

深沢 圭一郎

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2010年7月7日

化学鏡合わせのケイ素の作り分け

Abstract

異なる4つの基と結合したケイ素原子は不斉ケイ素原子と呼ばれ、それを含む化合物には1対のエナンチオマーが存在する。だが、片方のエナンチオマーを選択的に合成することは困難であった。化学専攻修士課程2年の安富さんらは、イリジウムを含む触媒を用いて、不斉ケイ素化合物の高選択的な合成法を確立した。

安富 陽一

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2010年6月29日

生物葉緑体分化 段階的な観察方法

Abstract

高等植物の葉緑体は、葉が発生して成長するのにともない原色素体という未分化の細胞から分化する。その分化過程のうち、進行が速すぎてこれまでよく観察できなかった葉緑体分化の初期段階を、イネの幼苗をもちいることで段階的に観察することに成功した。

楠見 健介

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2010年6月21日

地惑オーロラ電場 地上観測に成功

Abstract

宙空環境研究センターの池田研究員らは、オーロラ嵐に伴って発生する電磁波を電離圏で捉えることに成功し、その特性を解明した。新たに構築したFM-CWレーダーによる電離圏電場観測システムを利用したもので、電磁波動現象を電離圏で捉えるのは世界初という。

池田 昭大

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2010年6月8日

物理見えない光で銀河を見つける

Abstract

宇宙の遥か彼方で明るく輝く活動銀河中心核を見つけ研究することは、宇宙の進化の初期段階を知る手がかりとなる。物理学科の高妻研究員らは、近赤外線波長での天体の明るさ(等級)から求めた色を利用し、簡易的に活動銀河中心核を見つける方法を確立した。

高妻 真次郎

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2010年6月3日

数学ゼータ値巡回和の代数的証明

Abstract

多重ゼータ値の間には巡回和公式と呼ばれる公式が成り立つことが知られているが、その証明方法はこれまでひと通りしか知られていなかった。本研究では、この巡回和公式を代数的に捉え、“川島関係式”と呼ばれる公式に帰着させることで解析法によらない普遍的な証明を与えた。

田中 立志

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2010年5月26日

生物体節時計 ランダム移動で同期

Abstract

脊椎骨などに分化する体節が、発生の過程において一定の時間間隔で形成されるには、細胞間で「体節時計」の同調が必要である。この体節時計の同調は、細胞のランダムな移動によって促進されることが分かった。

瓜生 耕一郎

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2010年5月11日

物理ニュートリノ 質量計算が単純化

Abstract

現在発見されている素粒子の中で、唯一質量の分かっていないニュートリノに関して、余剰次元空間中の重力の影響を考慮したニュートリノ質量の理論値の計算がシンプルに行えるようになった。

渡邊 篤史

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2010年4月29日

生物花時計は主要遺伝子が制御

Abstract

新田 梢

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2010年4月6日

化学リン脂質 混ぜると段階的変化

Abstract

生物の体の中で重要な役割を果たすリン脂質はほとんど水に溶けず細胞膜(リボソーム)などの集合体を形成する。一方で水に溶けやすいリン脂質は洗剤と類似のミセルなどの集合体を形成する。化学科の高城さんは、これら二つのタイプのリン脂質の混ぜる割合によって、集合体の構造が段階的に変化することを明らかにした。

高城 雄一

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2010年4月2日

生物自分の免疫から体を守るには?

Abstract

私たちの体を病原体から守っている免疫系は、実は自分自身の体を攻撃する可能性も持っている。システム生命学府の佐伯さんは、自分の免疫系から自分の体を守る働きをする「制御性T細胞」の最適な数とその分布を明らかにした。

佐伯 晃一

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2010年2月9日

数学素数が素数でなくなるとき

Abstract

素数は数の性質を考える上でとても重要だが、実はどのような数の集合の中で考えるかで素数であるかないかが変わってしまう。数理学府の吉田さんは、素数が素数でなくなる度合いを表す手法の1つを洗練し、より正確な度合いの測定を可能にした。

吉田 学

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2010年2月1日

生物みんな違うと長続きする?

Abstract

生物は、たとえ同じ種だとしても、みんな少しずつ形や成長の仕方がちがう。この成長の違いが食べるものと食べられるものの共存をもたらすことを示した。

中道 康文

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2016年8月29日

物理小さな磁石の大きな可能性

Abstract

磁石に特定の周波数のマイクロ波をあてると、電子スピンの動力学的運動が継続的に誘起されて磁石の内部エネルギーが増大する、強磁性共鳴と呼ばれる現象が起こります。強磁性共鳴時の微小磁石の温度変化を測定する技術を開発し、強磁性共鳴によって増大した内部エネルギーが最終的に磁石自身の発熱を引き起こすことを明らかにしました。

山野井 一人, 横谷 有紀

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2014年12月8日

物理新時代の3次元光メモリー

Abstract

フェムト秒光パルスを反強磁性体という特殊な磁石に当てることによって光の任意の偏光状態を磁石に写し込み、情報記録媒体として書き込む事に成功しました。また別の光パルスを磁石に当てることによってその情報を読み取ることにも成功しました。

佐藤 琢哉

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2012年9月11日

物理中性子ビーム加速の新技術

Abstract

これまで制御が難しかった中性子ビームの加速減速を自在にコントロールし、空間的・時間的に集束させることに成功しました。空間的に高密度に局在した中性子は、様々な素粒子物理実験への利用が期待されています。

吉岡 瑞樹

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2010年8月16日

物理DNA 小さな穴のくぐり方

Abstract

やわらかいひもやロープのはしを引っぱると、手前の部分だけがまず動き、その影響が後ろの部分に伝達していく。物理学部門の坂上助教は、DNA分子を含む生体高分子が膜にあいた微小な穴を通過するときも同様に、穴に引き込まれる力が徐々に伝わって、分子の空間構造が次々と変化しながら通過することを初めて理論的に示した。

坂上 貴洋

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2010年6月8日

物理見えない光で銀河を見つける

Abstract

宇宙の遥か彼方で明るく輝く活動銀河中心核を見つけ研究することは、宇宙の進化の初期段階を知る手がかりとなる。物理学科の高妻研究員らは、近赤外線波長での天体の明るさ(等級)から求めた色を利用し、簡易的に活動銀河中心核を見つける方法を確立した。

高妻 真次郎

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2010年5月11日

物理ニュートリノ 質量計算が単純化

Abstract

現在発見されている素粒子の中で、唯一質量の分かっていないニュートリノに関して、余剰次元空間中の重力の影響を考慮したニュートリノ質量の理論値の計算がシンプルに行えるようになった。

渡邊 篤史

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2017年1月19日

化学金属錯体でエネルギー問題解決に挑戦

Abstract

人工光合成、中でも水の完全分解を実現するためには、高性能な酸素発生触媒と水素発生触媒を開発する必要があります。「高い酸素発生触媒能を有する直鎖状ルテニウム三核錯体」及び「水素発生に必要な電子を複数貯蔵可能な白金錯体」の開発に成功しました。

坪ノ内 優太, 林 樹

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2016年12月9日

化学アザインドール5員環の不斉水素化に成功

Abstract

鏡像異性体の片側を選択的につくる不斉合成反応には鏡像異性体を識別できる特別な触媒が必要です。インドール類の不斉水素化のために開発したPhTRAP-ルテニウム触媒がアザインドール類の還元反応にも利用できることを発見しました。発見した反応を応用することで、効率的な医薬品の合成が可能になると期待されます。

槇田 祐輔

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2013年3月22日

化学分子レベルで観るイオンと水

Abstract

気相中に生成した溶媒和金属イオンのクラスターを解析すれば、金属イオン周辺の分子について分子レベルの情報が得られます。赤外分光法により気相中における水和Co+イオンの配位・溶媒和構造を研究し、水和初期過程においてCo+イオンが配位不飽和な構造をとることが明らかになりました。

古川 一輝

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2012年7月25日

化学常識外れの触媒が地球を救う?

Abstract

人工光合成を達成するためには安定で活性の高い酸素発生触媒の開発が壁となっていました。酸素発生には金属イオンを2つ以上含む触媒が必要というこれまでの常識をくつがえし、ルテニウムイオン1つしか金属イオンを持たない錯体が非常によい酸素発生触媒として働くことを発見しました。

吉田 将己, 木本 彩乃

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2011年10月25日

化学レアメタル不要 鉄が酸化触媒

Abstract

小熊 卓也, 國栖 隆

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2011年7月19日

化学若手科学者賞の受賞に寄せて

Abstract

このたび、大学院理学研究院化学部門の松島綾美助教が「平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞されました。そこで松島助教に、受賞につながった研究「ビスフェノールとその受容体の構造活性相関の研究」について説明していただきました。

松島 綾美

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2011年4月15日

化学シクロプロペンの新合成法

Abstract

光学活性なシクロプロペンは、反応性が高く、キラルビルディングブロックとして有用な化合物である。以前に開発されたイリジウムサレン錯体を用いる高選択的なシクロプロパンの合成を応用し、不斉四級炭素を含む光学活性なシクロプロペンの新たな合成法の開発に成功した。

安富 陽一

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2011年1月21日

化学イオン液体界面のイオン分布

Abstract

燃料電池などで使われる「イオン液体」を水に溶かし「界面活性剤」として使った場合、従来の界面活性剤とは違いはなんだろうか。代表的なイオン液体の1つであるイミダゾリウム型イオン液体の界面では、界面活性剤と結合しているはずの臭化物イオンがBF4イオンに押し出されて分離していることを明らかにした。

松原 弘樹

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2010年12月7日

化学膜固定の酵素量 測定に成功

Abstract

膜の表面に酵素を固定して特定の分子を分離する人工膜において、これまで困難とされてきた膜の表面の正確な酵素量の測定に成功し、酵素量の違いによって酵素反応生成物の膜透過速度が変化することが分かった。

武田 日出夫

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2010年11月2日

化学薄膜 単分子での固体化に成功

Abstract

アルカンとイオン性界面活性剤を用いて作られる薄膜の固体化はこれまで困難とされてきたが、炭素鎖の長さが同じテトラデカンとTTABの混合溶液を減温処理することで、単分子の固体薄膜を作成することに成功した。塗装などの工業過程やナノテクノロジーなどに応用される膜形成のメカニズムの解明につながると期待される。

大冨 英輔

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2010年8月19日

化学簡易で無害なホウ素の定量法

Abstract

海水中に飲料水の基準値を超えて含まれるホウ素が、膜を使って淡水化する際にどの程度漏れ出したかを分析する簡易で無害な手法が開発された。装置が高価であったり有害な水銀電極が必要であるというこれまでの分析法の問題を解決した。

藤森 崇夫

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2010年7月7日

化学鏡合わせのケイ素の作り分け

Abstract

異なる4つの基と結合したケイ素原子は不斉ケイ素原子と呼ばれ、それを含む化合物には1対のエナンチオマーが存在する。だが、片方のエナンチオマーを選択的に合成することは困難であった。化学専攻修士課程2年の安富さんらは、イリジウムを含む触媒を用いて、不斉ケイ素化合物の高選択的な合成法を確立した。

安富 陽一

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2010年4月6日

化学リン脂質 混ぜると段階的変化

Abstract

生物の体の中で重要な役割を果たすリン脂質はほとんど水に溶けず細胞膜(リボソーム)などの集合体を形成する。一方で水に溶けやすいリン脂質は洗剤と類似のミセルなどの集合体を形成する。化学科の高城さんは、これら二つのタイプのリン脂質の混ぜる割合によって、集合体の構造が段階的に変化することを明らかにした。

高城 雄一

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2016年9月20日

地惑火星の気象をシミュレーション

Abstract

地球以外の惑星にも大気が存在し、様々な気象現象が起きていますが、直接の観測が難しいため詳細は未解明です。スーパーコンピューター「京」を使ったシミュレーションで、火星に生じる竜巻の性質を調べています。

中島 健介

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2016年6月27日

地惑謎のオーロラに理論と観測で迫る

Abstract

まれに、上空から観測するとシータ(Θ)の形に見えるオーロラが発生します。惑星間空間磁場が急激に反転するときにできるタイプのシータオーロラを貫く磁力線にはある決まったパターンで電流が流れているはずだという理論予測のもと過去のシータオーロラ発生時の観測データを解析し、シミュレーション通りの電流の存在を確認しました。

渡辺 正和

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2016年6月13日

地惑火山噴火で生じる雷

Abstract

鹿児島県の桜島火山で発生する雷(火山雷)を高速度ビデオカメラと高速度電磁場観測装置を用いて0.00002秒ごとに観測し、火山雷は通常の雷のミニチュアとして理解できること、火山噴煙中の電荷は雷雲中の電荷に比べてはるかに高密度で複雑に分布していることなどを明らかにしました。

相澤 広記

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2012年12月28日

地惑5万年を旅した隕石

Abstract

カリフォルニアに落下したSutter's Mill隕石を分析しました。高性能希ガス質量分析装置を用いて希ガス同位体分析を行い、この隕石がプレソーラー粒子を含む始原的な物質であること、隕石母天体表面で太陽風の照射を受けたこと、母天体脱出後約5万年の間宇宙空間を漂った後地球に落下してきたことなどを明らかにしました。

岡﨑 隆司, 武智 弘之

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2012年6月11日

地惑プランクトンが語る海流変化

Abstract

太平洋の最北部における、過去15年間の動物プランクトンの変動を調査しました。その結果、特定の動物プランクトンの個体数の変動が、海流や渦といった海洋の流れの変化に対応していることが明らかになりました。

池上 隆仁

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2011年9月1日

地惑イトカワの寿命は10億年以下

Abstract

東大の長尾教授や九大の岡崎助教を中心とした研究チームは、はやぶさがイトカワから持ち帰った粒子を分析し、これらの粒子は確かにイトカワ表面から採取されたものであり、イトカワの寿命は10億年以下と太陽系の年齢(46億年)に比べるとはるかに短いことを示しました。

岡﨑 隆司

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2010年9月21日

地惑プランクトンで知る海の環境

Abstract

北西太平洋の深層において、沈降動物プランクトン「レディオラリア」を採集しその生産量に与える影響を調べた結果、調査海域の海洋環境は西のオホーツク海の水塊や千島列島などの沿岸水の影響を強く受け、中層では季節によって環境が変動することが分かった。

池上 隆仁

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2010年7月20日

地惑磁力線渋滞による電位差飽和

Abstract

宇宙天気の指標である極域の電位差が飽和する現象が知られていたが、その原因は電離圏中の伝導率にあると言われてきた。今回地球磁気圏の数値シミュレーションにより、電位差の飽和現象が、太陽風に伴う磁場と結合した地球の磁力線の輸送が滞ることで起きることを示した。

深沢 圭一郎

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2010年6月21日

地惑オーロラ電場 地上観測に成功

Abstract

宙空環境研究センターの池田研究員らは、オーロラ嵐に伴って発生する電磁波を電離圏で捉えることに成功し、その特性を解明した。新たに構築したFM-CWレーダーによる電離圏電場観測システムを利用したもので、電磁波動現象を電離圏で捉えるのは世界初という。

池田 昭大

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2016年10月20日

数学世界初!60次元の格子暗号を解読

Abstract

格子暗号は次世代国際標準暗号の有力候補です。その安全性評価のため2016年6月にスタートした暗号解読コンテストで、世界で初めて60次元の格子暗号問題を解読しました。総当たり方式ならば解読までに一万年以上かかる問題を、効率的な手法により約16日で解くことに成功しました。

高木 剛

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2014年7月29日

数学ビッグデータ処理で世界1位

Abstract

大規模なグラフを処理するソフトウェアを独自に開発し、「京」コンピュータやTSUBAME2.5などの様々なスーパーコンピュータ上でビッグデータ処理性能を計測するGraph500及びGreen Graph500ベンチマークテストを実施した結果、両者において世界1位となりました。

藤澤 克樹

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2010年12月24日

数学計算機との上手なつきあい方

Abstract

海外で利用が進む計算代数システムMagmaの日本での普及に向け、Magmaに関する研究集会が10月に九州大学伊都キャンパスで行われた。そこで、主催者の一人である数理学府の横山さんにMagmaが数学の研究でどのように使われ、どのように役立つのかを、フェルマーの最終定理の証明を題材に説明してもらった。

横山 俊一

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2010年6月3日

数学ゼータ値巡回和の代数的証明

Abstract

多重ゼータ値の間には巡回和公式と呼ばれる公式が成り立つことが知られているが、その証明方法はこれまでひと通りしか知られていなかった。本研究では、この巡回和公式を代数的に捉え、“川島関係式”と呼ばれる公式に帰着させることで解析法によらない普遍的な証明を与えた。

田中 立志

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2010年2月9日

数学素数が素数でなくなるとき

Abstract

素数は数の性質を考える上でとても重要だが、実はどのような数の集合の中で考えるかで素数であるかないかが変わってしまう。数理学府の吉田さんは、素数が素数でなくなる度合いを表す手法の1つを洗練し、より正確な度合いの測定を可能にした。

吉田 学

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2017年5月12日

生物炎症を防ぐ酵素タンパク質のしくみ

Abstract

免疫の過剰な応答は、アレルギーや炎症反応を引き起こします。私たちの体には免疫応答を厳密に制御する機構が備わっています。生体高分子学研究室の槇光輝さんらの研究グループは、ショウジョウバエをモデル生物として、架橋酵素であるトランスグルタミナーゼ(TG)が免疫応答に重要なNF-κB(転写因子)であるレリッシュを架橋し、過剰な免疫応答を抑制する分子機構を明らかにしました。昆虫と哺乳類のNF-κB経路はよく似ているため、今回のショウジョウバエでの発見がヒトの炎症疾患の原因解明や治療につながることが期待されます。

槇 光輝

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2017年4月19日

生物遺伝子に刻まれた自然史

Abstract

将来の環境変化によって生物に何が起こるかを予測するには、過去の環境変動時に何が起こったかを知ることが重要です。進化遺伝学研究室の池崎由佳さんらの国際研究グループは北米大陸に生息するヌマスギの核DNA翻訳領域の遺伝情報を読み取り、氷河期を包括する長い期間でのヌマスギ分布域の変遷を明らかにし、さらに環境変動後の局所適応にかかわった遺伝子の候補を特定しました。

池崎 由佳

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2015年3月25日

生物線虫で100円がん検査

Abstract

フェムト秒光パルスを反強磁性体という特殊な磁石に当てることによって光の任意の偏光状態を磁石に写し込み、情報記録媒体として書き込む事に成功しました。また別の光パルスを磁石に当てることによってその情報を読み取ることにも成功しました。

広津 崇亮

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2014年8月27日

生物受精卵の分裂開始スイッチ

Abstract

脊椎動物の未受精卵は受精を待つために第二減数分裂中期で分裂を一時停止し、受精によって細胞分裂を再開します。脊椎動物受精卵の細胞分裂開始の仕組みを分子レベルで初めて解明しました。不妊の新しい診断や治療法の開発につながるものと期待されます。

迫 洸佑

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2014年7月17日

生物おならと花を間違えない理由

Abstract

人間はどのようにして1万種もの匂いを識別しているのでしょうか?それを知るためには、匂いとそれを受け取る受容体の対応関係を明らかにする必要があります。生体内における匂いと受容体の対応関係を網羅的に解析し、同じ匂いでも濃度によって異なる受容体が働いていることを突きとめました。

広津 崇亮

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2013年12月13日

生物植物を大きく育てる遺伝子発見

Abstract

CO2濃度が低くても気孔を開けないシロイヌナズナの変異体(patrol1変異体)を特定しました。この原因遺伝子は気孔開口に重要である事を突き止めました。PATROL1遺伝子の過剰発現体は野生株よりも大きく気孔を開くことができるため、光合成活性が上昇し、大きく成長します。

橋本(杉本) 美海

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2012年7月18日

生物坪井研究員がJPR論文賞を受賞

Abstract

理学研究院生物科学部門の坪井研究員らによる論文の「2012年度JPR論文賞 Best Paper Award」受賞が決定しました。論文では、光環境変化に迅速に対応するため、葉緑体は細胞膜上ならどちらの方向にも移動できる事を明らかにしています。

坪井 秀憲

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2012年6月30日

生物植物を診察する高性能カメラ

Abstract

植物の葉の色は、光や温度環境、ストレスなど、様々な要因に応じて変化するため、植物の健康状態や環境応答性を反映する指標になります。視認が困難な微小な葉色変化や葉に含まれる植物色素の量や組成を、画像から定量的に解析する技術を開発しました。

松田 修

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2012年6月20日

生物和田特任教授が植物学会賞受賞

Abstract

理学研究院生物科学部門の和田正三特任教授の「日本植物学会賞(大賞)」受賞が決定しました。この賞は植物科学分野において国際的に高く評価された研究を行った者に授与されるもので、和田特任教授による「葉緑体運動の分子機構」の解明と植物学会への貢献が高く評価されました。

和田 正三

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2011年11月18日

生物新しいOrange遺伝子の可能性

Abstract

サーカディアンリズムを制御する遺伝子としては、cwo遺伝子が非常に重要であることがすでに分かっています。cwo遺伝子と同じ遺伝子ファミリー“bHLH-ORANGE”に所属する3つの遺伝子が、新たにサーカディアンリズムの制御に関わっている可能性があることを明らかにしました。

伊藤 太一

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2011年10月2日

生物未受精卵 分裂停止機構を解明

Abstract

磯田 道孝

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2011年9月14日

生物Pex1pとPex6p ATPで輸送制御

Abstract

細胞内小器官のペルオキシソームは、ベータ酸化や胆汁酸の生合成など生命活動に重要な役割を担っていますが、その形成の制御機構はいまだによく分かっていません。ペルオキシソームの形成因子であるPex1pとPex6pが、ATPと反応することによってその立体構造が変化し、ペルオキシソームへの正常な輸送が制御されていることを明らかにしました。

名城 千香

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2011年9月9日

生物気孔閉じぬエコタイプを発見

Abstract

約700系統あるシロイヌナズナのエコタイプの中から、二酸化炭素濃度や湿度を変化させても気孔が閉じない系統を発見しました。気孔開閉のメカニズムを知る手がかりとして注目されます。

門田 慧奈

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2011年7月4日

生物オスがメスの進化を邪魔する

Abstract

オスだけが角や大顎を持つ動物では、角が大きくなるなどのオスの形質の進化は、メスの適応進化には影響しない—この考え方は正しいのでしょうか?実験によって、オスの大顎が大きくなるように進化するとメスの産卵数が減少することを明らかにしました。生物の進化を考える上での、オスとメスの進化的な対立の重要性を示す実例として注目されます。

原野 智広

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2011年6月17日

生物免疫反応に重要なMt膜電位

Abstract

ミトコンドリアが関与する細胞内抗ウイルス免疫ではミトコンドリアの重要な生理機能である内膜電位が重要な働きをしていることを発見し、このこととミトコンドリアの融合とが密接に関係していることを明らかにしました。この発見は、細胞内でのミトコンドリア動態が免疫反応と関わっている可能性を明らかにし、その成果は Science Signalingの表紙 を飾りました。

小柴 琢己

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2011年5月17日

生物島崎教授が植物学会賞を受賞

Abstract

このたび、理学研究院生物科学部門の島崎研一郎教授が「日本植物学会賞(学術賞)」を受賞しました。この賞は植物科学の分野において国際的に高く評価された研究を行った者に授与されるもので、島崎教授は「青色光による気孔開口の分子機構」を解明したことにより本賞を受賞しました。

島崎 研一郎

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2011年1月28日

生物世界中の葉の強さを比べる

Abstract

世界90カ所から2819種のデータを収集し、植物の葉の強度を地球規模で解析したところ、種による強度の違いが500倍以上もあり、その傾向は「熱帯ほど葉が丈夫である」という従来の仮説とは異なることを明らかにした。葉の丈夫さの多様性パターンを地球規模で解明した研究は世界初という。

小野田 雄介

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2010年11月12日

生物海藻 生活環が2種類ある理由

Abstract

系統の離れた海藻の3グループそれぞれで2種類の生活環が進化したのは、環境によって最適な生活環が異なることが原因である可能性が理論的に示された。季節変動の大きさや死亡率が、環境によって変化するためと考えられる。

別所 和博

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2010年11月5日

生物実生バンク 豊凶の進化を促進

Abstract

ブナなどの樹木が数年に一度、一斉に種子生産を行う豊凶と呼ばれる繁殖様式の進化には、種子が発芽してすぐの実生が林床で長く生存することが重要であることを明らかにした。

立木 佑弥

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2010年8月24日

生物葉緑体は若いときから大忙し

Abstract

光合成能が低く未成熟な状態ととらえられてきた発生初期の葉の葉緑体において他組織から供給される栄養分の代謝機能がすでに発達していることが示された。葉緑体分化が損なわれた突然変異株と正常株の間で、葉の炭素・窒素含量が変わらないことから明らかになった。

楠見 健介

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2010年8月6日

生物DNAの損傷を伝える仲介役

Abstract

DNAの損傷を探知し修復するためには、損傷を探知するタンパク質をリン酸化し、その情報を細胞へ伝える別のタンパク質と結合しなければならない。このリン酸化と結合を仲介する酵素がカゼインキナーゼ2であることを明らかにし、DNA損傷情報の伝達の仕組みを再現することに成功した。

武石 幸容

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2010年7月26日

生物ハコネナラタマバチの正体

Abstract

これまでカリリティス属に分類されてきた虫こぶ形成昆虫のハコネナラタマバチが、実はアンドリクス属であることが分かった。ハコネナラタマバチの形態と虫こぶの特徴を再調査した結果、明らかとなった。

和智 仲是

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2010年7月22日

生物海風が樹木の形を変える

Abstract

海–陸という極端に異なる二つの環境が交わる場所に位置する海浜林は、海風をはじめとする海洋環境の影響を直接受ける。海浜林の林縁からの距離に応じて樹木の形態が変化することを確認した。

横尾 誠

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2010年6月29日

生物葉緑体分化 段階的な観察方法

Abstract

高等植物の葉緑体は、葉が発生して成長するのにともない原色素体という未分化の細胞から分化する。その分化過程のうち、進行が速すぎてこれまでよく観察できなかった葉緑体分化の初期段階を、イネの幼苗をもちいることで段階的に観察することに成功した。

楠見 健介

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2010年5月26日

生物体節時計 ランダム移動で同期

Abstract

脊椎骨などに分化する体節が、発生の過程において一定の時間間隔で形成されるには、細胞間で「体節時計」の同調が必要である。この体節時計の同調は、細胞のランダムな移動によって促進されることが分かった。

瓜生 耕一郎

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2010年4月29日

生物花時計は主要遺伝子が制御

Abstract

新田 梢

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2010年4月2日

生物自分の免疫から体を守るには?

Abstract

私たちの体を病原体から守っている免疫系は、実は自分自身の体を攻撃する可能性も持っている。システム生命学府の佐伯さんは、自分の免疫系から自分の体を守る働きをする「制御性T細胞」の最適な数とその分布を明らかにした。

佐伯 晃一

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2010年2月1日

生物みんな違うと長続きする?

Abstract

生物は、たとえ同じ種だとしても、みんな少しずつ形や成長の仕方がちがう。この成長の違いが食べるものと食べられるものの共存をもたらすことを示した。

中道 康文

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