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平成29年度 奨学金受給者報告書

氏名 森井 嘉穂
学科・専攻、学年 地球惑星科学科 2年
留学先(国名) ケンブリッジ大学(イギリス)
留学期間 平成29年8月15日~平成29年9月8日

留学内容全体について

 この留学は、「ケンブリッジ大学英語・学術研修」という九州大学の学生のみによる研修で、学部2年生29人が参加しました。現地研修自体は三週間という短い期間なのですが、前年11月からおよそ9か月に及ぶ事前研修をして臨みます。事前研修では、29人+教員で集まり英国やケンブリッジ大学について学んだり、週末旅行の計画・予約を学生だけで行ったりしました。英語の学習は各自すすめて、定期的に教員に報告していました。現地研修では、ペンブロークカレッジで主に過ごしました。授業は三人の教員による英語(毎日2コマをローテーションでまわす)と、専門授業です。専門は、三つのコースが設置されており、私はscienceをとりました。大学植物園の訪問、有名な研究所ツアー、ケンブリッジ大学卒の研究者に関する講義、実験を通して学ぶ化学工学、殺人事件の捜査、天文台訪問など、毎回充実した内容で、教員のあふれる熱意にかなり刺激を受けました。英語の授業はspeaking, academic writingに特化したもので、ガーデンにでてプレゼンをしたり、ロミオとジュリエットの結末を変えてみたり、英語で詩を作成したりと、日本の授業では味わったことないものばかりで、英語を話すことへの抵抗がなくなるようなしかけが散りばめられていたように思います。授業外では、現地大学生4人がサポートしてくださり、ケンブリッジ大学生の生活を味わえるような様々なイベントを企画してくれました。宿泊は学校寮で、そこでも現地学生の方と交流できました。週末には、学生が企画した週末旅行で、エディンバラ・グラスゴー・ヨーク・ロンドン・コッツウォルズなどを訪れ、美術館や博物館、チャーチや大聖堂など多くの観光名所で英国文化を感じました。

ケンブリッジ大学ペンブロークカレッジ

 また、研修中には三回のフォーマルディナーがあり、まるでハリーポッターのような世界観に包まれながら、正装をして教授や現地学生、九大の学生とディナーを楽しみました。日本ではなかなか体験できない、テーブルマナーを意識した本場のフォーマルディナーはとても緊張しましたが、忘れられない貴重な経験です。この研修では、英語を学んだというよりは、外国での対応力がかなり鍛えられたように思います。英語で授業を受けるとはどのようなものなのか、話しかけるには英語力だけでは不十分だということなどを体感できました。

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 外国人から見た日本について学ぶことができ、異文化に自分の身をおくことで日本を客観的にみることができるようになりました。また、他国の人との交流があまりなかった私にとって、話しかけることすら抵抗があったのですが、PA(プログラムアシスタント)の現地学生が催してくれたイベントや、英語の授業でのプレゼン、フォーマルディナーを通して、自分の感情を伝えるには英語で交流するしかないのだと気付きました。これまで単に学習してきた英語ですが、ツールとして学ぶことの大切さを、初めて身をもって学びました。また、すらすらと意見が言えるようになると、会話も続き、より話す機会が増えると思います。つまり、交流には積極性と英語力が必要ということです。まとめると、日本に対する考えと、英語学習に関する考えが変わりました。

フォーマルディナー前にプログラム主催者と

留学によって変化が見られた事項について

 英語での対応力がつきました。最初は英語で話しかけられてもすぐに返答できませんでしたし、店でも一回で聞き取ることはできませんでしたが、しだいに授業内容もほぼ理解できるようになり、自分から話しかけることができるようになりました。英語をただ言語として学ぶのではなく、道具・ツールとして使えるように学ばないといけないと感じました。というのも、自分の感情をうまく伝えるには、適した単語を用いなければならず、また相手にわかるような表現で、場にあわせて使い分ける必要があるとわかったからです。これは留学に行き、現地で感じなければわからなかったことだと思います。また、専門分野に直結した内容は学んでいないのですが、科学全般について学び、より自分の興味ある分野について海外で学べるレベルまで勉強したいと思いましたし、様々な分野からアプローチすることが大切だと気付きました。今後、専門分野の勉強のために留学することを考えると、より学術的な英語も必要になりますし、英語で説明できるほどの理解が求められると思います。

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 私はこの研修まで留学をはじめ海外に行ったことさえありませんでした。しかし、今日のグローバル化や専門分野の研究を考えると、海外で学んだり発表したりすることが必要になると思い、留学を決め、特に個人的に興味のあったこの研修にしたのですが、研修では、ケンブリッジ学生の勉強方法やケンブリッジ大学で行われている研究、すばらしい研究者になるには何が大切かなどを学びました。今後は、修士まで大学で勉強・研究する予定なのですが、気になったことに興味を持ち、疑問に思ったことは追及し続けられる研究者になりたいと考えています。また、日々の勉強のペースも上げていくべきだと感じました。同じ大学生が、他国ではこんなにも進んだ勉強をしているのかと痛感したため、自分も現在の場所で勉学に励み、院生のころには自分の研究のために外国の大学で学んでみたいと思うようになりました。

ロンドンのタワーブリッジ

後輩に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 留学の意義がはっきりとわからなかった私ですが、この研修を終えてわかったことは、やってみなければわからないこともあるということです。実際に英語しか話されていない地に行き、コミュニケーションをとるには英語を話すしかない状況になります。実際に体験したからこそ、現在英語力向上の必要性を強く感じるようになりました。もちろん留学で得られることはこれだけではなく、研修によると思いますが、異文化を学んだり、専門分野の勉強の刺激を受けたり、日本にいるだけでは味わえない体験ができます。ただ、行く前にしてほしいことは英語の勉強、特にlisteningです。留学中に英語を学ぶのではありません。鍛えた自分の英語を現地で試すのです。聞く力があれば、話す方は頑張れば相手もわかってくれます。(もちろん話す力があるにこしたことはありません)。日本でできることは準備していき、現地でしかできないことを留学で経験する、これがいい方法だと私は考えます。