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平成28年度 奨学金受給者報告書

氏名 村上 幸輝
学科・専攻、学年 物理学科 3年
留学先(国名) ミュンヘン工科大学(ドイツ)
留学期間 平成28年10月1日~平成29年9月25日

留学内容全体について

 ミュンヘン工科大学は、学生の五分の一が留学生であり、国際的な雰囲気を持つ大学であった。そのため、異文化を大切にする風潮があった。国際的な交流イベントも多く開催されており、留学生同士が仲良くなりやすい。自分の場合、研究室配属前であり、専門が特に決まっていなかったため、興味のある講義を幅広く履修した。授業については、まず日本の大学と比べ進度が速いと感じた。また一科目の分量、単位数が多く、あまり多くの科目を同時に受講することはできなかった。英語で行われる授業は大学院生向けのものが多かった。多くの科目に演習の時間が設けられており、学習を進めるうえで、非常に役に立った。授業や試験は比較的難しく、不合格者も多いため、モチベーションの高い生徒のみが大学に残って勉強できるシステムになっている。授業における質問は、講義中にもよく行われ、日本に比べて質問しやすい雰囲気があると感じた。授業資料や、講義ノートが積極的に公開されており、自分で勉強するときに活用しやすかった。ミュンヘンは治安が良く、安心して勉強に集中できる環境であった。また、英語、ドイツ語についても語学の授業や、生活を通して学習することができた。休業中にも語学の講座が多数開講されており、積極的に参加した。言語交換と呼ばれる、日本語を勉強している現地の学生とペアを組み、お互いの言語を教えあうという学習方法も多く実践した。生活面では、学校から紹介される留学生が多く住んでいる寮に住んでいた。学校側のサポートもあったおかげで、生活面で困ることは特になかった。学校側が主催する学生のイベントなどにも参加し、友達を作る良いきっかけとなった。

ドイツ語クラス

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 留学先大学には、ドイツ人だけでなく、様々な国から来た留学生がおり、同じ留学生という立場から仲良くなることが多かった。国際的なコミュニティーでの生活を通して、文化、考え方の違いを感じることができ、貴重な経験となった。また、総じて学生の学問的なレベルが非常に高いと感じた。専門的な分野への理解はもちろん、幅広く教養を身に着けている学生が多く、自分も感化された。さらに日本と比較し、個人個人が自分の好きな分野を好きな方法で勉強する自由で活気のある雰囲気があると感じた。例えば、卒業に要する期間は人それぞれで、インターンシップや、留学などで、通常よりも長く在籍する学生がとても多く、また同時に専門と異なる科目も興味に応じて卒業要件と関係なく学んでいる学生が多かった。学生生活の他の特徴として、メリハリの利いた生活を心がける人が多いと感じた。やみくもに勉強時間を増やすのではなく、勉強する時間と、リラックスする時間をしっかりと分け、効率的に生活しているように感じた。

サッカー観戦

留学によって変化が見られた事項について

 専門分野である物理については、以前に比べ一つの事柄について粘り強く考えることができるようになったと思う。演習の時間には、発言を求められることも多く、留学当初は、そうしたことに苦手意識があり積極的になれなかったが、徐々に慣れ、ある程度議論できるようになった。各論的な授業も多く取ることができ、これまで学んできた基礎的な物理の内容がどのように活かされるのかのイメージがよりできるようになった。英語は、日常生活で、用いた言語であったため、おそらく上達していると思われるが、資格試験を受ける機会などはなく、はっきりと上達が数値としてわかる形にはならなかった。特にスピーキング能力に関しては、以前よりスムーズに会話を進めることができるようになったと感じる。言語交換という制度を通して、ドイツ語と中国語を学習していたが、お互いに説明するときには、英語を用いていたため、英語の上達にもつながっていたと感じる。ドイツ語に関しては、渡航当初、まったく知識がなかったが、簡単な会話ができる程度に成長した。言語を勉強することを通じて、失敗や困難を乗り越えるという良い経験を積むことができたとも感じる。

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 留学当初はあまり意識していなかったが、海外の大学院へ進学したいと強く希望するようになった。その大きな理由は、海外で学ぶということが、どういうことであるのか具体的なイメージができるようになったためである。まず、言語の壁を乗り越えて学ぶことについても、ある程度の自信が持てるようになった。また、留学での体験が貴重であることを改めて感じた。日本で学ぶことは、効率がよく、また学業以外の面でもトラブルが少ない。しかし、ドイツで過ごした日々は、一日一日が刺激的で、新しい考え方、価値観への出会いにあふれている。総合的に見て人間としてより成長できる環境であると強く感じた。日本とドイツでは、大学院で学ぶ内容にどのような違いがあるかについてもよくわかった。具体的には、ドイツの修士課程は講義が多く、研究に割ける時間はその分少ない。海外での学びを視野に入れることは、将来の選択肢を増やす上で意味のあることであると思う。

物理学科パーティ

後輩に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 事前に、英語やドイツ語の勉強をできる限りしておくとよいと感じた。大学内では、英語のみで生活できるが、日常生活では簡単なドイツ語が話せないと困る場面もある。また、ドイツ人同士で話すときなどはドイツ語を話すため、そういった会話に参加するためにはドイツ語をある程度勉強していた方がよいと感じた。専門の分野についても、ミュンヘン工科大学の学生は内容の理解に重点を置いているように感じた。日本人の学生は、表面的理解の段階で止まっていることが多く、試験の後、学んだ内容の多くを忘れてしまう傾向があると思う。到着直後は積極的にイベントに参加し、友達を作っておくとよいと感じた。また、ドイツで盛んであるタンデム(言語交換)は、語学を習得するうえで役に立つため、試してみることを勧める。日本語を勉強している学生も多いため、そのようなコミュニティーに行くと友達を作りやすかった。