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平成28年度 奨学金受給者報告書

氏名 工藤 奈々
学科・専攻、学年 生物学科 4年
留学先(国名) Leibniz Institute of Neurobiology, Magdeburg, Germany
留学期間 平成26年11月20日~平成26年12月21日

留学内容全体について

 私は今回、卒業研究に関する実験手法の習得と研究討議、英語力の向上を目的として、Leibniz Institute of NeurobiologyのBertram Gerber研究室に1ヶ月間留学した。具体的には、ショウジョウバエの幼虫が、寒天の固さを匂いと関連づけて記憶できるのか、また、ショウジョウバエの幼虫が、どのくらいの固さを報酬として感じるのかを明らかにするため、ショウジョウバエ幼虫の学習記憶研究の第一人者であるBertram先生の研究室でその実験手法を学び、実験し、結果について討議、発表を行った。結果として、匂い関連学習の実験手法を習得することができ、実験を通して上記で述べた二つの問いに対する結果を得ることもできた。また、研究室での会話、討議、発表、留学生が多く住むゲストハウスでの共同生活を通して、英語を話すことに対する抵抗や恐怖心を軽減することもできたと感じている。

他国の人たちとの交流を通じてどのような変化がありましたか?

 留学に出発する前は、間違った英語を話しているのではないだろうか、伝わっていないのではないか、という不安ばかりが先行して、英語を話す前に萎縮していたが、今回の留学を通して、文法の間違いや単語がわからなくて詰まってしまうことを。相手はさほど気にしていないということが分かった。むしろ、意見があるのに言わなかったり、伝えようとしなかったりすることの方が相手を困らせるということも学んだ。日本には少し遠慮することを美徳とする文化があるが、それはドイツでは通じないということも身を以て体験した。それぞれの国にはそれぞれのスタイルがあり、生活する国に応じて、自分を変えていかなければいけないと強く感じた。

留学によって変化が見られた事項について

 九州大学にはショウジョウバエ幼虫の学習記憶に関する研究を行っている研究室が無いため、今回の留学を通して自分に無かった知見を習得することができた。実験手法はもちろんであるが、英語の専門用語の使い方、言い回し等、発表に関する技術も学ぶことができたのは非常に良かったと思う。1週間に1回行われるミーティング(1週間に行ったことを研究室のメンバー全員に話す)では、私も参加し、実験結果に関して皆で討議を行った。九州大学で私が所属している研究室ではこのようなものはないので、新鮮であるのと同時に英語を使って意見を伝え合う良い機会であった。このことを通して、自分の意見を伝える大切さや難しさを学ぶことができたと思う。

今回の留学がこれからの進路にどのように活かされますか?

 私は来年度から他大学のショウジョウバエを扱う研究室に所属する予定である。今回の留学での学びは研究に対する取り組み方や考え方、実験手法やプレゼンテーション技術、英語力等の面で大いに活かされると考えている。また、その後の進路について考える一つの材料となる経験であったことは言うまでもなく、ポスドク以上のメンバーに囲まれた研究室生活はとても刺激的であり、研究者という職が自分に向いているのかどうかを考えるよい機会にもなった。

後輩に向けて留学して良かった事、準備しておけば良かった事等について

 私にとっては初めての海外留学だったので不安なことだらけで、何をどれくらい準備していくべきなのか、全く分からなかったです。どれだけ準備しても実際に行ってみないとわからないことがたくさんありましたが、同時に度胸もそれなりについたと思います。

 日本では「察する」ということがひとつの文化のようになりつつありますが、海外ではそのような文化はないですし、なんでも自分から主張をしていかなければいけないです。たった1ヶ月でもそのような場面をたくさん経験しました。合わせて改めて感じたのは、英語をうまく話す必要はあまりないということです。相手はそのことは大して気にしていなくて、その奥の意見や主張を知りたいのです。私の場合はうまく話そうとすればするほど何も言えなくなってしまいました。気にせず、とりあえず何か言ってみるという姿勢が大切なのだと思います。